九州部会

異文化経営学会 第8回九州部会研究会のご報告

2022/03/16
2022年3月12日(土)JR博多駅ビル9階のJR九州シティ会議室3をメイン会場として対面参加15名、zoom参加15名のハイブリッド形式で開催した。
2003年3月11日が当学会設立日で丁度19年目、九州部会は2013年3月開催の準備会から9年目に当たる。
下記3つの報告と記念講演を行った。
第一報告は「西南アジアからの留学生による日本的経営文化のもとでの現地での創業」で日本を目指すバングラデッシュの学生が日本の文化、教育を身に着けることで、日本での就業ではなく、本国に戻ってスタートアップをめざす姿を紹介。起業環境の容易さもあるだろうが、報告者自身が卒業後の学生、現地の日本語学校などとの交流を維持しながら指導に当たっている実体験に基づく報告であった。
第二報告は「なぜRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)はAIと異なるのか〜デジタル知とアナログ知〜」で、産業界におけるロボット導入が単純作業の機械化だけでなく高度なホワイトカラー分野への深化が進み、脳を除くすべての分野に及ぶ可能性があるが、人間でしかできないアナログの重要性についての言及もあった。
第三報告は「メディアによるコロナ報道が国民に与える影響」でzoomによる報告。コロナ発生以降の政府報道とメディア掲載状況の分析から見えてきた“現場と政府政策の遅い対応”などメディア出身者の私感を交えた報告は新鮮だった。
記念講演は「友好の架け橋、人の心に国境はない」で、九州の地の利を活かして日中の懸け橋を貫く人生の語りでもあった。ご両親が第二次大戦後も中国に残り復興に貢献するも文化大革命の狂乱な状況の中で父を失う。日中国交回復後、中学校に入学したばかりの頃に母親の故郷福岡に帰国した時は「二度と中国には渡ることはない」と心にひめるのであったが、母親のある一言で生涯日中両国の友好の架け橋となることを決意する。大学教授のご主人の在外研究に同行し、米英での長期滞在を通して、国際情勢や文化に触れる中で、日中関係の重要性をより一層強く認識した。幼少期を中国で過ごし中国語に長け中国文化と事情に精通した演者が、今では日中ビジネスにおけるコンサルタントとして日系企業の中国ビジネスをサポートする中で、中国側のビジネスパートナーとの心の交流を大切に仲介役を果たす姿はまさに架け橋そのもので感動的だった。
会場の設備に不慣れなところもあったが上海からのZoom参加者もあり意見交換もできた。また日本広報学会九州部会との合同開催とすることで異なる学会メンバーとの交流、違った観点からの社会の見方は新しい発見でもあった。
終了後はシチリア料理を満喫しながらさらなる交流を深めることができた。

<次第>
2022年3月12日(土) 13:20〜17:00
JR九州シティ会議室 及びZOOM のハイブリッド開催
司会:松田香里(㈱キナックス代表取締役)
九州部会長挨拶:小野豊和 (元東海大学教授)

第一報告:市川順一(折尾愛真短期大学准教授)

「西南アジアからの留学生による日本的経営文化のもとでの現地での創業」

第二報告:岩本勝幸(東海大学経営学部准教授)

「なぜRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)はAIと異なるのか〜デジタル知とアナログ知〜」

第三報告:太田民夫(元東海大学経営学部教授)

「メディアによるコロナ報道が国民に与える影響」

記念講演:青木麗子氏(㈱DLC・GBコンサルティング代表取締役)

「友好の架け橋、人の心に国境はない」

全体講評:岩本勝幸(東海大学経営学部准教授)
会長挨拶:馬越恵美子 (会長・桜美林大学教授)


以下の画像をクリックすると大きなお写真をご覧いただけます。


* * * * * * * * * * * * * * * *
<<九州部会一覧へ戻る
このページのトップへ▲